第41号 (2011年)
〈シンポジウム〉
- 総題: 動物—倫理への問い(工藤和男・江口聡)
- 伊勢田哲治「動物の権利はなぜ説得力を持つのか:倫理的帰属者文脈主義の試み」
- 伊勢俊彦「動物たち(と)の自由な関係へ向けて:哲学史からの展望」
- 古牧典生「ウサギと脳死者」
- 上野吉一「動物園における倫理的課題と実践」
- ディスカッション要録(工藤和男・江口聡)
依頼論文
公募論文
- 斉藤大樹「アンセルムスの幸福主義:意志決定における正直と有益性のかかわりから」
- 永守伸年「構想することと、判断すること:批判期カントの道徳判断論」
- 三浦隆宏「意志することと生まれ出ずること:アーレント政治理論における「自由の深淵」という問題」
- 亀井大輔「二つの「痕跡」の交差:デリダとレヴィナスのあいだで」
- 古荘匡義「ミシェル・アンリにおける他者関係:1980年代の生-の-世界の概念から」
- 鈴木真「帰結主義の必要条件とその根拠」 (優秀論文賞)
- 魚住洋一「ホモセクシュアリティをめぐって:「社会構築主義・本質主義論争」の一側面」
書評
- 奥田太郎「鷲田清一監修、本間直樹・中岡成文編『ドキュメント臨床哲学』大阪大学出版会、2010年」
- 志水紀代子「亀喜信『ハンナ・アレント—伝えることの人間学』世界思想社、2010年」
- 田中龍山「高橋雅人『プラトン『国家』における正義と自由』知泉書館、2010年」
- 林誓雄「柘植尚則『イギリスのモラリストたち』研究社、2009年」
その他
- 学会からのお知らせ
第42号 (2012年)
〈シンポジウム〉
- 総題:直観と倫理
- 柘植尚則「倫理的直観主義の背後にあるもの:イギリス道徳哲学の場合」
- 浜渦辰二「直観とそれを隠れて支えているもの:「直観と倫理」へのフッサール現象学からのアプローチ」
- 三谷尚澄「倫理的直観はいかなる意味で実在をとらえているのか:セラーズ的視点から」
- ディスカッション要録(北尾宏之・水谷雅彦)
依頼論文
公募論文
- 岡嵜隆哲「アウグスティヌスにおける意志概念の形成:『自由意志論』から『告白』へ
- 薮本沙織「ホッブズ道徳論における責務の問題:コモンウェルス設立のための信約についての考察から」
- 梅野宏樹「ライプニッツにおける «passion» 概念の射程」
- 山本圭一郎「J・S・ミルの倫理学における二つの方法」
- 田中潤一「後期西田哲学における人間的行為と道徳の一考察」
- 黒岡佳柾「「われわれ」の二重動向:ハイデガーにおける本来の「共存性」の射程」
- 田中優一「外在性との出会いにおける内在性:E・レヴィナスの場合」
- 服部敬弘「行為の自由と感情の不自由:アンリにおける「倫理」の問題」(優秀論文賞)
- 佐藤岳詩「生の意味の問題における主観説について」
書評
- 安彦一恵「児玉聡『功利と直観 英米倫理思想史入門』勁草書房、2010年」
- 亀井大輔「松葉祥一『哲学的なものと政治的なもの—開かれた現象学のために』青土社、2010年」
- 小城拓理「柘植尚則『プレップ倫理学』弘文堂、2010年」
- 馬嶋裕「大石敏広『技術者倫理の現在』勁草書房、2011」
- 松島哲久「石崎嘉彦『ポストモダンの人間論—歴史的終焉時代の知的パラダイムのために』ナカニシヤ出版、2010年」
- 八幡秀幸「野崎泰伸『生を肯定する倫理へ—障害学の視点から」白澤社、2011年」
- 渡辺啓真「安部彰『連帯の挨拶—ローティと希望の思想』生活書院、2011年」
その他
- 学会からのお知らせ
第43号 (2013年)
〈シンポジウム〉
- 総題:専門家と信頼(伊勢田哲治・徳永哲也)
- 板井孝壱郎「医療専門職の「責任」と患者からの「信頼」:医療安全管理業務としての「臨床倫理コンサルテーション」の視点から」
- 大石敏広「技術者と公衆の信頼関係をどう築き上げていったらいいのか:科学技術の安全・リスクという側面から」
- 丸山徳次「「信頼」への問いの方向」
- ディスカッション要録(伊勢田哲治・徳永哲也)
依頼論文
公募論文
- 林誓雄「ヒューム道徳哲学における「人々の意見」」 (優秀論文賞)
- 戸田潤也「『人倫の形而上学』の準備作としての『実践理性批判』」
- 嘉目道人「「理性の事行」の(不)可能性:道徳法則の意識をめぐるカントとフィヒテの差異」
- 岡本慎平「類推と道徳科学:J.S.ミルにおける他者の心の論証について」
- 生島弘子「後期ニーチェ思想における身体からのキリスト教批判」
- 藤田俊輔「ヤスパースの不安論」
- 相澤伸依「フーコーの方法論における主体の位置づけ」
- 石毛弓「人格の同一性に対するマッキンタイアの物語論的アプローチについて」
- 亀喜信「共有としての承認」
- 有馬斉「道徳用語の外延の曖昧さは実在論の擁護に役立つか:ボイド道徳実在論批判」
書評
- 伊勢田哲治「佐藤岳詩『R・M・ヘアの道徳哲学』勁草書房、2012年」
- 樫本直樹「中岡成文『試練と成熟:自己変容の哲学』大阪大学出版会、2012年」
- 神崎宣次「奥田太郎『倫理学という構え:応用倫理学原論』ナカニシヤ出版、2012年」
- 佐々木拓「田中朋宏『文脈としての倫理学』ナカニシヤ出版、2012年」
- 佐藤岳詩「児玉聡『功利主義入門:はじめての倫理学』筑摩書房、2012年」
- 林克樹「川島秀一『自由の探求』晃洋書房、2012年」
- 平石隆敏「加茂直樹『社会保障の哲学:日本の現状を把握し、未来を展望する』世界思想社、2012年」
- 堀田義太郎「小林亜津子『はじめて学ぶ生命倫理:「いのち」は誰が決めるのか』筑摩書房、2011年」
その他
第44号 (2014年)
〈シンポジウム ケアと正義〉
- 趣旨説明(品川哲彦)
- 立山善康「ケアのdialectic、ケアと正義のdialectic」
- 岡野八代「ケアの倫理の源流へ:ケアか正義かの議論枠組みを疑う」
- 佐藤義之「正義の思考とケアの思考」
- ディスカッション要録(竹山重光)
〈依頼論文〉
〈公募論文〉
- 渡部華月「倫理学説としての宇宙周期説:プロティノスを中心とした考察」
- 南木喜代恵「「悪への性癖」によってカントの道徳哲学の何がどう変容したか」
- 李明哲「カント倫理学における「尊敬の感情」と道徳法則の共存関係:道徳的動機と格律概念をめぐって」
- 鈴木崇志「フッサールによる、人形の錯覚についての三つの分析」
- 服部圭祐「〈間柄〉の三つの側面からみる和辻倫理学:和辻哲郎『倫理学』における理論構造と記述の問題」
- 樋口雄哉「レヴィナスにおける倫理と公正」
- 松田智裕「自己疎外から歓待へ:デリダにおける主体の位置づけについて」
- 安井絢子「ケアの倫理の理論的展開:ケアの倫理の公的領域への適用に向けて」
- 村上慎司「健康の社会的決定要因としてのソーシャル・キャピタルの規範理論:リベラル・コミュニタリアン論争の含意から」
〈書評〉
- 柿本佳美「白川俊介『ナショナリズムの力:多文化共生世界の構想』勁草書房」
- 紀平知樹「徳永哲也『ベーシック 生命・環境倫理:「生命圏の倫理学」序説』世界思想社」
- 佐藤慶太「三谷尚澄『若者のための〈死〉の倫理学』ナカニシヤ出版」
- 佐藤岳詩「伊勢田哲治『倫理学的に考える:倫理学の可能性をさぐる十の論考』勁草書房」
- 杉本俊介「安彦一恵『「道徳的である」とはどういうことか:要説・倫理学原論』世界思想社」
- 田中朋弘「石崎嘉彦『政治哲学と対話の弁証法:ヘーゲルとレオ・シュトラウス』晃洋書房」
- 堀江剛「河村厚『存在・感情・政治:スピノザへの政治心理学的接近』関西大学出版部」
〈学会からのお知らせ〉
第45号(2015年)
〈シンポジウム 道徳の教育――その可能性と不可能性〉
- 趣旨説明(倉本香)
- 井原武人 学校教育における強制のあり方とは
- 中里晴子 道徳の授業は子どもたちの実生活にいきていないのではないか
- 八幡英幸 哲学・倫理学の研究者は道徳教育にどう関わるか
- 菊地建至 学生と教員が道徳的に考える機会や場を作り続けるために
- ディスカッション要録(安彦一恵)
〈依頼論文〉
〈公募論文〉
- 蓮尾浩之 カント実践哲学における「コペルニクス的転回」の意義について――実践的判断の問題を中心とした考察
- 藤田俊輔 ヤスパースの寛容論
- 川合大輔 一九二〇年代日本における人間性に関する言論について
- 弓谷葵 文化史的叙述と〈他者〉性の受容――和辻倫理学の確立についての一考察
- 久保田浩平 「リベラル・ナショナリズム」を超えて
- 小西真理子 「共依存」再考――フェミニズムによる批判の検討
〈書評〉
- 佐藤勇一 家高洋『メルロ=ポンティの空間論』大阪大学出版会、二〇一三年
- 安部彰 小林亜津子『生殖医療はヒトを幸せにするのか――生命倫理から考える』光文社、二〇一四年
- 中川明才 玉田龍太朗『フィヒテのイェーナ期哲学の研究』晃洋書房、二〇一四年
- 服部圭祐 西谷敬『文化と公共性――和辻倫理学の再構築』晃洋書房、二〇一三年
- 西章 入谷秀一『かたちある生――アドルノと批判理論のビオ・グラフィー』大阪大学出版会、二〇一三年
- 池上哲司 鷲田清一『おとなの背中』角川学芸出版、二〇一三年
学会からのお知らせ
第46号(2016年)
〈シンポジウム 子ども・哲学・倫理学〉
- 趣旨説明(奥田太郎・桝形公也)
- 金澤正治 小学校での実践から
- 中川雅道 何に抗して語るのか
- 辻村修一 P4Cについて――私立中等教育教員の視座から
- 松本啓二朗 「こどものための哲学」について
- ディスカッション要録(奥田太郎)
〈依頼論文〉
〈公募論文〉
- 川合大輔 一九二〇年代日本における少年犯罪と道徳教育論
- 石毛弓 「人格の同一性は重要である」――パーフィットの主張をめぐって
- 小田切建太郎 イプノスの傍らで――ハイデガーにおけるヘラクレイトスの〈かまど〉の意味について
- 永守伸年 知的障害者の自律と介助者との信頼
- 櫻井真文 フィヒテの『道徳論の体系』における道徳性の原理の演繹
- 奥野文夫 デカルトの自由論
- 佐々木拓 依存症と自由意志――統制的原理適用可能性アプローチからの検討
- 喜多源典 歴史的身体と当為――後期西田哲学を中心に
- 蓮尾浩之 反省的判断力はいかに道徳的な実践的判断に寄与し得るか――カント実践哲学と趣味判断をめぐる考察
- 鈴木真 価値判断の対立を言語の不確定性によって説明する試み
- 味村考祐 ガダマーの解釈学における伝統概念の両義性
- 安倍里美 理由に依拠した規範性理解は非自然主義擁護に貢献しているのか
〈書評〉
- 柘植尚則 林誓雄『襤褸を纏った徳――ヒューム 社交と時間の倫理学』京都大学学術出版会、二〇一五年
- 望月俊孝 品川哲彦『倫理学の話』ナカニシヤ出版、二〇一五年
- 山本與志隆 阿部将伸『存在とロゴス――初期ハイデガーにおけるアリストテレス解釈』月曜社、二〇一五年――初期ハイデガーによるアリストテレス解釈の可能性と限界
- 徳永哲也 石井基博『ヘーゲル法哲学が目指したもの――〈体系としての人倫〉・自由・国家』晃洋書房、二〇一五年
学会からのお知らせ
第47号(2017年)
〈シンポジウム 自由と平等〉
- 趣旨説明(林克樹・藤森寛)
- 白井聡 戦後民主主義社会における「自由と平等」
- 林芳紀 自由と平等の和解――ロールズの正義の二原理の意義と限界
- 山口雅広 中世の二人の思想家とリパブリカニズム
- ディスカッション要録(林克樹・藤森寛)
〈依頼論文〉
〈公募論文〉
- 井西弘樹 気質から情熱へ――中期ニーチェ哲学の転換点
- 奥堀亜紀子 他を存在させること――ジャンケレヴィッチの道徳形而上学
- 柿本佳美 デカルト道徳論から見る「わたし」という語りと寛容の可能性
- 窪田徹 ベルクソン哲学に於ける生命の本質としての意識
- 佐々木達彦 フィヒテ初期道徳論における良心
- 大石敏広 環境プラグマティズムにおける〈政策の合意〉の概念について――ロールズの〈重なり合う合意〉を手掛かりに
- 谷山弘太 道徳の「価値」を問題にするということ――ニーチェ『曙光』における道徳批判
- 島田喜行 フッサールの「人倫的自我」
- 入江祐加 反省から客観性へ――ディルタイの精神科学における「心理学」の展開
〈書評〉
- 三浦隆宏 徳永哲也『プラクティカル 生命・環境倫理――「生命圏の倫理学」の展開』世界思想社、二〇一五年
- 井上克人 川合大輔『土田杏村の思想と人文科学―一九一〇年代日本思想史研究』晃洋書房、二〇一六年
- 服部敬弘 吉永和加『〈他者〉の逆説――レヴィナスとデリダの狭き道』ナカニシヤ出版、二〇一六年
学会からのお知らせ
第48号(2018年)
〈シンポジウム 環境倫理学×事例に基づく研究〉
- 趣旨説明(神崎宣次)
- 藤木篤 環境保全と公衆衛生の相反――日本住血吸虫病対策を事例に
- 紀平知樹 環境アイコンの生成と価値の調整
- 丸山徳次 事件の哲学と応答倫理学――「事例研究」ではなく
- ディスカッション要録(神崎宣次)
〈依頼論文〉
〈公募論文〉
- 三上航志 智慧と知の統一――デカルトにおける「最高で完全な道徳」について
- 平出喜代恵 カントにおける自己への信頼
- 八木緑 カント倫理学における「人間の目的」の意義について
- 太田匡洋 ショーペンハウアーにおける共苦と想像力
- 川崎唯史 メルロ=ポンティにおける道徳論の試み
- 田中雄祐 メルロ=ポンティにおける政治と表現
- 服部圭祐 日本における「実存」研究の嚆矢――和辻哲郎によるニーチェ・キルケゴールの「哲学」的受容
- 西原信彦 九鬼周造における武士の美と道徳
〈書評〉
- 白水士郎 丸山徳次『現象学と科学批判』晃洋書房、二〇一六年
- 川合大輔 木岡伸夫『邂逅の論理――〈縁〉の結ぶ世界へ』春秋社、二〇一七年
- 柘植尚則 小城拓理『ロック倫理学の再生』晃洋書房、二〇一七年
- 安彦一恵 佐藤岳詩『メタ倫理学入門』勁草書房、二〇一七年
学会からのお知らせ
第49号(2019年)
〈シンポジウム 「超越」と倫理学〉
- 趣旨説明(品川哲彦・森田美芽)
- 藤枝真 「宗教なき時代」の単独者――キェルケゴールにおける「超越」と倫理学
- 竹内綱史 超越者なき自己超越――ニーチェにおける超越と倫理
- 石崎嘉彦 「倫理」の学と「超越的なもの」について――善を基礎付けるのは自然か神か人間か?
- ディスカッション要録(森田美芽・品川哲彦)
〈依頼論文〉
〈公募論文〉
〈書評〉
- 樋口雄哉 庭田茂吉『レヴィナスにおける身体の問題I――「ヒトラー主義哲学に関する若干の考察」から『時間と他者』まで』萌書房、二〇一八年
- 川崎唯史 加國尚志『沈黙の詩法――メルロ=ポンティと表現の哲学』晃洋書房、二〇一七年
- 桝形公也 堀江剛『ソクラティック・ダイアローグ――対話の哲学にむけて』大阪大学出版会、二〇一七年
- 島内明文 佐々木拓『ジョン・ロックの道徳哲学』丸善、二〇一七年
- 安井絢子 小西真理子『共依存の倫理――必要とされることを渇望する人びと』晃洋書房、二〇一七年
- 品川哲彦 小松原織香『性暴力と修復的司法――対話の先にあるもの』成文堂、二〇一七年
学会からのお知らせ
第50号(2020年)
〈シンポジウム スポーツと倫理〉
- 趣旨説明(林芳紀・江口聡)
- 佐々木拓 ルールの厳格な適用のみが審判の役割か――ショートトラック・スピードスケートにおける不正スタート判定を事例として
- 佐藤岳詩 スポーツにおけるドーピングの悪さについて
- 稲岡大志 オリンピックは道徳実験室でありうるか?――「生き方の哲学」としてのオリンピズムの可能性
- ディスカッション要録(林芳紀・江口聡)
〈依頼論文〉
〈公募論文〉
- 高木裕貴 誠実、社交、そして信頼――カントの性格形成論
- 藤永綾乃 ショーペンハウアーにおける責任と共苦――カントの「叡智的性格」受容を手掛かりに
- 入江祐加 ディルタイにおける歴史的思考の創造性――ディルタイのヘーゲル批判をめぐって
- 柿本佳美 フランスにおける配偶者間暴力被害者支援と実存主義
- 服部圭祐 「哲学」としての倫理学の成立とその影響――西田幾多郎『善の研究』から
〈書評〉
- 中川明才 田端信廣『書評誌にみる批判哲学――初期ドイツ観念論の展相 『一般学芸新聞』「哲学欄」の一九年』晃洋書房、二〇一九年
- 永守伸年 寺田俊郎『どうすれば戦争はなくなるのか――カント『永遠平和のために』を読み直す』現代書館、二〇一九年
- 山本圭一郎 樫本直樹『自己陶冶と公的討論――J・S・ミルが描いた市民社会』大阪大学出版会、二〇一八年
- 森田美芽 柴田秀『イエスの革命と現代の危機――反時代的インマヌエル宣言』南窓社、二〇一八年