『倫理学研究』第21集~第30集

第21集(1991年)

  • パスカルのデカルト哲学観と回心A-ラフュマ版『パンセ』断章一三一の解釈-……宮永泉(1)
  • へ-ゲルの人倫論における宗教の役割……霜田求(14)
  • フッサール現象学における他なるもの……倉光隆志(26)
  • マックス・シェーラーにおける人格の概念……柳澤有吾(36)
  • 『知覚の現象学』における実存的な意味観の検討……・佐藤義之(48)
  • レヴィナスの倫理思想-主体性と他者-……庭田茂吉(60)
  • 反相対主義の一つのかたち-デイヴィドソンの解釈説が示唆するもの-……冨田恭彦(74)

第22集(1992年)

  • デカルト『情念論』における他者の問題-「愛」と「高邁」の情念を手がかりに-……望月太郎(1)
  • パスカルの邪欲論に占める、言語芸術(説得術)の位置付け-パスカルと説得術-………児玉正幸(14)
  • カントにおける道徳性の探究-「道徳形而上学」への道筋-……前田義郎(26)
  • 図式性の動的解釈と反省的判断力……八幡英幸(39)
  • 『悲劇の誕生』におけるヘーゲル的な匂い……勝道興(51)
  • ベルクソンにおける持続と無意識……加藤憲治(61)
  • フッサールにおける倫理的価値の構成について……高橋好美(73)
  • 自由の両義性-メルロ=ポンティ「自由、とくにライプニッツにおける」の研究-……松葉祥一(85)

第23集(1993年)

  • ソクラテスにおける知と無知-パラドックス問題に寄せて-……・田中龍山(1)
  • ジョン・ロックにおける道徳と政治……村上弥生(12)
  • ライプニッツ道徳論における「快」の意味……松王政浩(24)
  • へ-ゲルの「道徳性」における善と良心の関係構造……石井基博(36)
  • へ-ゲルの『精神現象学』における「良心」の問題……・鮒村忠志(51)
  • 道徳の問題としての神の死-ニーチェの無神論とイエスの神性-……稲留憲治(62)
  • 「存在への問い」の重層的なパラドクス-ハイデッガーに於ける「神の問題」の可能性-……吉本浩和(75)
  • 精神分析の倫理-J・ラカンの提示する倫理的テーゼをめぐって-……田村公江(87)

第24集(1994年)

  • アダム・スミスにおける義務感……柘植尚則(1)
  • ロックの道徳哲学……・奥野文夫(12)
  • カントの超越論的自由と実践的目的……倉本香(24)
  • カント批判哲学における理性関心の意義……白水土郎(36)
  • デューイ倫理学における自然主義的立場について……宮崎宏志(49)
  • 必然と窮境……戸島貴代志(61)
  • 差異としての言葉-後期ハイデッガーに於ける世界と事物についての一考察-……橋本武志(73)
  • メルロ=ポンティと他者の問題……・加國尚志(85)
  • メルロー=ポンティにおける他者理解と志向性……東昌紀(96)
  • ヘアの功利主義と外的選好……江口聡(107)

第25集(1995年)

  • 自然との合一の認識-スピノザの最高善をめぐって-……河井徳治(1)
  • へ-ゲルにおける「労働の哲学」-イエナ期の到達点と課題-……徳永哲也(14)
  • シェリングとW・F・オットーにおける神話の意義について……橋本崇(26)
  • ベルクソンにおける道徳論と社会論……・杉山直樹(38)
  • 『二源泉』に見られる自由の議論について……福永俊哉(50)
  • ジンメルにおける個性の問題……・川本格子(58)
  • 実践の領域としての生活世界……・布施伸生(70)
  • フッサールにおける「人格」概念-「私は~できる(Ich kann)」という無限の可能性の倫理的意義……・信木晴雄(81)
  • 前期ハイデガーにおける〈根拠〉と〈無〉について……有馬善一(93)
  • 形而上学のあとの思惟……松本啓二朗(104)
  • サルトルの倫理思想-投企と本来性-……・沼田千恵(114)
  • 倫理と宗教の成立根拠に関する一考察……・山下一道(126)
  • 倫理と宗教-その弁証法的関係-……・桝形公也(134)
  • 現代における信ずること……・池上哲司(142)

第26集(1996年)

  • 水俣病と倫理学……丸山徳次(1)
  • プロティノスの幸福論における「把捉」と「意識」をめぐる三つの問題……鷲見淳之(14)
  • プロティノスにおける美としての善一者について……渡辺華月(25)
  • カントにおける最高善概念の展開-究極目的としての最高善-……・田中朋弘(36)
  • キェルケゴールにおける絶望の弁証法……柳沢貴司(48)
  • ニーチェにおける「生成」の概念……・内藤可夫(58)
  • 徹底した啓蒙家としてのニーチェ-マックス・ホルクハイマーのニーチェ解釈-……藤野寛(70)
  • ベルクソンにおける「開いたもの」の源泉としての神……高橋靖(82)
  • 真なる言葉を語る-ハイデッガーの思索から-……・新田智弘(93)
  • ハイデガーの思惟に定位した世界概念と死の概念の再検討……山本與志隆(104)
  • ハイデガーにおける死の問題とその射程……梶谷真司(115)

〈シンポジウム報告〉

  • 現代社会と環境倫理の必然性……松島哲久(126)
  • 「環境倫理学」の課題……柳澤有吾(134)
  • 哲学は環境問題にいかに寄与できるか……吉本浩和(141)

第27集(1997年)

  • 社会倫理としての忠誠の問題……・西谷敬(1)
  • アルベルトウス・マグヌスにおけるもくてき(finis)としての善・……江口克彦(15)
  • ヒユームの道徳哲学……大川繁則(27)
  • カント倫理学における二つの原理にむけて-『視霊者の夢』における類比を手がかりに-……佐藤敦子(37)
  • カント実践哲学の批判的受容の可能性-W・クールマンの議論を手がかりに-……・舟場保之(49)
  • ヘーゲルと「新しい神話」-生命的有機体の論理と主体的宗教-……・板井孝一郎(60)
  • キェルケゴールの倫理理解……・大利裕子(74)
  • 均衡と相互干渉-準拠なき思考の哲学-……・亀喜信(96)
  • 「善に対する正の優先」というリベラリズムのテーゼと自我の問題-サンデルのロールズ批判-……蔵田伸雄(108)

〈シンポジウム報告〉

  • 功利主義の問題点-選好とその表現-……・加藤尚武(119)
  • 功利主義の経験的性格-その特質と問題-……・加賀裕郎(125)
  • 権利と功利……・北尾宏之(132)

第28集(1998年)

  • 現代倫理学の課題-人間本性の再検討-……・行安茂(1)
  • カントにおける美・善・自然目的の当為と必然性……・門屋秀一(13)
  • 『判断力批判』における美感的理念と共通感覚-道徳的対話原理の可能性を求めて-……松井邦子(23)
  • 「宗教哲学」講義一八二一年におけるヘーゲルとヤコビ-三位一体論解釈への視点-……小林亜津子(34)
  • ニーチェにおける「良心」の問題……・藤本啓子(47)
  • C・S・パースの偶然主義における自由意志の根拠づけの問題……新茂之(60)
  • ベルクソンの霊魂不死論について……・本田裕志(73)
  • 「世界内存在」-その意義と限界-……・安部浩(86)
  • 「社会的なもの」の境位-間主観性とコミュニケイションを巡って-……・本間直樹(98)
  • 行為と欲求の合理性-R・B・ブラントの論議を手がかりに-……奥野満里子(110)

〈シンポジウム報告〉

  • テーマ「民族・文化・倫理」
  • 「帰属」について……藤野寛(123)
  • 共生、抵抗、不遇(から対抗主義の克服へ)-在日朝鮮人二世の「在日論-……西村誠(131)
  • 「民族・文化・倫理」-フェミニズムの視点から考える-……志水紀代子(138)

第29集(1999年)

〈歴史主体性論争をめぐつて〉

  • 「ヒストリー」を超えて……・安彦一恵(1)
  • 「歴史」を超えられるか……大越愛子(13)
  • 文化横断的概念としてのインフォームドコンセント-T・エンゲルハート研究-……・加藤剛(18)
  • スピノザにおけるコナトゥスと倫理……河村厚(29)
  • 実体的自我から主体的自我へ-カントの自己認識理論を手がかりに-……内田浩明(42)
  • フィヒテにおける「精神界の綜合」-カントの「目的の国」の概念を手がかりにして-……中川明才(54)
  • 住まうこととは何か-ハイデガーにおける空間の問題-……鞍田崇(66)
  • 環境評価をめぐる経済と倫理-sustainabilityとは何か-……・加藤尚武(78)

〈シンポジウム報告〉

  • なぜ、今日、ここで……石井誠士(88)
  • 「生と死」の現在……・大町公(95)
  • 生と死……戸田省二郎(102)

第30集(2000年)

  • キェルケゴールにおける「誘惑」としてのテキスト……・桝形公也(1)
  • 心身の協働-スピノザ倫理学における人間理解および心身並行論-・・・・・堀江剛(9)
  • カントの道徳論における「徳の義務」の位置……寺田俊郎(21)
  • J.S.Millにおける二つの快楽の質の概念と価値の快楽説……鈴木真(33)
  • 他者への言葉-キェルケゴールの言語思想-……・本田誠也(45)
  • ベルクソンにおける道徳的創造の問題……・中野康次郎(57)
  • ベルクソンにおける身体と時間……・川瀬雅也(68)
  • ハイデガーにおける「不安」と他者の問題……・薮内聰和(80)

〈シンポジウム報告>

  • レヴィナスと責任の限界……・佐藤義之(91)
  • 責任と哲学すること……石崎嘉彦(98)
  • 責任について……・加茂直樹(106)

〈書評〉(文献紹介)

  • EdwinN.Forman一RosalindEkmanLadd著、松田一郎訳『小児医療の生命倫理-ケーススタディ』診療と治療社、一九九八年、仁志田博司編『出生をめぐるバイオエシックス-周産期の臨床にみる「母と子のいのち」』MEDICALVIEW社、一九九九年……・奥野満里子(113)